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メンタルヘルス対策
メンタルヘルス対策 ここは、人事領域の中でも、最も得意分野です。なぜ得意かはさておき、発達特性(発達 障害ということばが好きではないので、発達特性と私は呼んでいる。)とともに、興味・関 心のある領域である。 もちろん、医学的な知識や知見があるわけではないが、人事的な分野の問題としては深く考 えてきた領域である。
そもそもメンタルヘルスの問題がクローズアップされてきたのはいつごろからだろうか。 ずっと前からあったのだろうが、言葉として社会的に認識されたのは、バブル期よりもっと 後のような気がする。 いわゆる高度経済成長期には、過酷な労働もあっただろうが、日本全体、国民全体が何とか、 復興させないといけないという一体感で高揚していたこともあってか、あまりメンタル的 な問題は起こらなかったのかもしれない。その分、肉体的な疲弊によって、身体の病気で苦 しむ人は多かったかもしれない。 バブル期においても、過酷な労働環境はあったわけだし、そのころには、今思い返すとメン タルを害されたのかな、という例は周囲でも何件か見たけれども、まだまだ用語としてはあ まり浸透していなかった。
なんだかんだ言って、まだまだ一体感があったのかもしれない。 2000年、今世紀に入ってからは、ぽつぽつメンタルヘルスの問題が語られ始めたのだろ う。そのなかには、製薬会社の抗うつ薬などの販売促進という面も多分に影響しただろうし、 心療内科や精神科を標ぼうする医師が増え、なんとなく気軽に通える、通わなくてはならな いムードになってきたこともあるだろう。
しかし、実際には、いいか悪いかは別として、だんだん「一体感」などというものも薄れて きて、「個人」が尊重されることとなり、人間関係が希薄になっていったということも大き な背景となっているのだろうと感じる。そして、だんだん仕事内容、業務内容も、身体を使 って発散したりする仕事から、事務的な仕事、そして脳に疲労を与える仕事が増えてきこと も原因のひとつであろう。 これらいろいろな要因が重なって、21世紀は、メンタルヘルスの世紀となったわけだが、 仕事の環境や、家庭の環境、本人の特性など複雑なものがからみあって発症したりするのだ ろうが、撲滅していくに越したことはない。 仕事の環境、会社の環境という意味では、ハラスメントの問題が最大の要因として語られる。 会社員などのストレス要因や、離職の最大の要因は、人間関係や、長時間労働による疲弊と 言われるが、これは当たらずとも遠からずであろう。 長時間労働については、一概に否定すべきものではないかもしれないが、自発的ではない長 時間労働、やらされ感の強い長時間労働は、ストレスの大きな要因となるだろう。
たとえ、超勤手当という対価を得たとしても。 ストレスチェックが行われているが、効果がいかほどのものかは疑問符もつかざるを得な い。本人が本人の精神状態をどれだけきっちりとチェックシートに反映できているかは明 確ではないからである。遊び半分で回答している人物も中にはいるかもしれない。 その結果をもって、対象部署のメンタルヘルス状態を判定するのはいささか危険な気がす る。 特に、最近は、ハラスメントに対する対応が強化されることになり、ハラスメントもステル ス化し、見えにくくなっていること、公の場ではなく、隠れた場面で行われることも逆に増 大していることが容易に想像できるからである。
また、メンタル疲弊で休業、休職すること も会社にとっては、生産的に損害であるが、休まず出勤しているにもかかわらず、大幅に パフォーマンスが低下しているケースも最近では多く見られるようである。 そういう意味では、ストレスチェックのような形式的なものに頼りすぎず、やはりひとりひ とりにしっかり向き合っていくことが大変重要である。 これは、人事担当者や責任者、そして現場の責任者にまかせていればいいというものでもな く、組織に応じ、適切な仕組みをつくっていく必要がある。 人事セクションでは関係が遠く、現場で繁忙のため、十分な対応ができない可能性があるか らである。
ラインケアしなさい、と現場の責任者に言ったところで、本来業務が忙しすぎれば、なかな かそこまで考えていられない、という現実もでてきておかしくない。 だからこそ、この辺りは、わたしの提唱するもうひとつの課題「美しい仕事」にも、重要な 意味が出てくるのです。
メンタルヘルス対策のケアとして、厚生労働者も 1.セルフケア(自身のケア) 2.ラインによるケア(管理監督者のケア) 3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア 4.事業場外資源によるケア(会社外の外部機関や専門家によるケア) が、提唱されているが、2.~4.については、タイムリーな対応ができるとは限りません。 最も、タイムリーに毎日できるのが、セルフケアです。 自分を客観的に毎日振り返ること。これがもっとも大切なことです。 確かに、これも忙しいときは、冷静にもなれず、自身の現状を見失うことにもなりがちなの ですが、そもそも自分を振り返れないほど忙しいということ自体がもう立派な危険信号な ので、十分気を付けることが必要です。 つらいときは、逃げる。これも十分、生産的な解決方法です。 会社ができる対応、とるべき対応としては、ハラスメントや長時間労働の実態把握。 前述のように、なかなか表に出てこない、ハラスメントなどには十分目を光らせるべきです。 現場には、いろいろなことが起こっており、目に見えなくても、ヒントはいっぱいあるはず です。それを見逃さないこと。それが重要です。
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