助成金とは?【わかりやすく解説】補助金との違い・種類・申請の流れを社労士が完全ガイド

「助成金という言葉は聞いたことがあるが、何なのかよくわからない」
「補助金と助成金は何が違うのか」
「うちの会社でも使えるものがあれば知りたい」
このような方に向けて、助成金の基礎を丁寧に解説します。
結論から言えば、助成金とは要件を満たせば返済不要で受け取れる国の公的資金です。中小企業の経営者・総務担当者の方であれば、知らないうちに申請できる助成金が複数ある可能性があります。
この記事では、大阪の社会保険労務士事務所「働き方研究所MiRAHATA」が、助成金の基本定義から補助金との違い・主な種類・申請の流れ・社労士に頼む理由まで、ゼロからわかりやすく解説します。
この記事でわかること
・助成金とは何か(3行でわかる基本定義)
・助成金と補助金の6つの違い
・中小企業が使える助成金の主な種類
・助成金の4つのメリットと2つの注意点
・助成金を受け取るまでの基本的な流れ
・助成金はいくらもらえるか(目安と試算例)
・社労士に依頼すべき理由と費用対効果
助成金とは?3行でわかる基本定義
助成金とは、国や地方公共団体が、一定の要件を満たした事業主に対して支給する返済不要の公的資金です。
3つのポイントで覚えてください。
1. 返済不要:融資(銀行からの借入)とは違い、受け取った助成金は返さなくてよいお金です。
2. 要件を満たせば原則受給できる:審査・競争がある補助金と違い、雇用関係の助成金は要件を満たせば原則として受け取ることができます。
3. 財源は雇用保険料(事業主負担分):厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金は、事業主が毎月納めている雇用保険料を財源とした制度です。事業主が積み立てた保険料が、雇用改善に取り組んだ事業主に還元されるしくみです。
融資・補助金・給付金との違い
| 助成金 | 融資(銀行借入) | 補助金 | 給付金 | |
| 返済 | 不要 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 受給の確実性 | 要件充足で原則受給 | 審査あり | 採択競争あり | 条件次第 |
| 財源 | 雇用保険料 | 金融機関 | 税金(一般会計) | 税金等 |
| 主な目的 | 雇用・労働環境の改善 | 事業資金全般 | 事業成長・設備投資 | 緊急支援等 |
助成金と補助金の違い【6軸で徹底比較】
助成金と補助金はどちらも「返済不要の公的資金」という点は同じですが、制度の性質はまったく異なります。混同すると「専門家選び」「申請先」「申請タイミング」でつまずく原因になります。
| 比較軸 | 助成金 | 補助金 |
| 主な管轄 | 厚生労働省・都道府県労働局 | 経済産業省・中小企業庁・地方自治体 |
| 財源 | 雇用保険料(事業主負担分) | 税金(国・地方の一般会計) |
| 受給の確実性 | 要件を満たせば原則受給 | 審査・採択あり(落選の可能性) |
| 申請時期 | 通年募集が多い | 公募期間が限られる(1〜2か月程度) |
| 申請代行の専門家 | 社会保険労務士(独占業務) | 中小企業診断士・行政書士等 |
| 代表例 | キャリアアップ助成金・業務改善助成金等 | ものづくり補助金・IT導入補助金等 |
重要:助成金の申請代行は、社会保険労務士(社労士)の独占業務です(社会保険労務士法第27条)。税理士・行政書士・コンサルタント等に助成金申請を依頼することは法律違反になる場合があります。
なお、MiRAHATAが専門とするのは厚生労働省管轄の雇用関係の助成金のみです。補助金(経済産業省管轄)については対応範囲外となります。
助成金の主な種類【目的別一覧】
厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金は数十種類ありますが、中小企業が特によく活用するのは以下の6種類です。
キャリアアップ助成金|最大140万円
パート・アルバイト・有期契約社員を正社員に転換したり、処遇を改善したりする事業主に支給されます。雇用関係の助成金の中で最も多くの中小企業が活用しており、受給件数も多い代表的な助成金です。
令和8年度から「情報公表加算」が新設され、最大140万円の受給が可能になっています。
人材開発支援助成金|研修費用の最大85%
社員のスキルアップ・資格取得・DX研修などにかかった費用を最大85%助成します。eラーニングや通信制の研修も対象で、10時間以上のOFF-JTから申請できます。
キャリアアップ助成金と組み合わせることで、最大167.5万円以上の受給も可能です。
業務改善助成金|最大600万円
事業場内最低賃金を引き上げ、生産性向上のための設備投資を行った中小企業に、設備投資にかかった費用を最大600万円助成します。最低賃金引き上げと設備投資コストを同時にカバーできる独自のしくみです。
働き方改革推進支援助成金|最大1,000万円
残業削減・有給休暇取得促進・勤務間インターバル制度の導入など、働き方改革に取り組む中小企業を最大1,000万円(業種別課題対応コース)まで助成します。運送業・建設業向けのコースが特に注目されています。
両立支援等助成金|育休中の業務代替支援では最大140万円
男性育休取得促進・介護離職防止・育休中の業務代替体制整備など、仕事と育児・介護の両立支援に取り組む事業主を支援します。6つのコースがあり、コースや取り組み内容により支給額が異なります。主な支給額は、育休中等業務代替支援コース(手当支給等・育児休業)で最大140万円、出生時両立支援コース(男性育休取得率の上昇等)でプラチナくるみん加算込み最大75万円などです。
65歳超雇用推進助成金|最大240万円
定年を65歳以上に引き上げたり、継続雇用制度を整備したりする事業主を最大240万円助成します。ベテラン社員の技術継承や人手不足解消に取り組む事業主に特に有効です。申請先が厚生労働省・労働局ではなくJEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)である点が他の助成金と異なります。
トライアル雇用助成金|月額最大5万円
就職が難しい求職者(就職氷河期世代・障害者等)を試行的に雇い入れた事業主に対して、最大3か月間・月額5万円を助成します。「採用のミスマッチを減らしながら人材を確保したい」という事業主に活用されています。
人材確保等支援助成金|57万円(雇用管理制度助成コース)
離職率の低下に向けて、諸手当制度・研修制度・メンター制度・短時間正社員制度のいずれかを導入した事業主を支援します。制度導入と一定期間の運用後に目標値を達成した場合に支給されます。
助成金の4つのメリット
メリット1|返済不要・使い道自由
受け取った助成金は返済不要で、使い道も原則として自由です(一部、使途が指定される助成金もあります)。融資と異なり自己資本が増強されます。
メリット2|要件を満たせば原則受給できる
補助金のような採択競争がないため、要件さえ満たせば申請したすべての事業主が受給できます。
メリット3|複数の助成金を組み合わせて活用できる
同一の取り組みへの重複申請はできませんが、異なる取り組みに対して複数の助成金を同時に申請できます。うまく組み合わせれば、年間で数百万円の受給も可能です。
メリット4|就業規則整備・労務管理改善のきっかけになる
多くの助成金の申請には就業規則の整備が前提条件となっています。助成金を機に就業規則を見直すことで、労務トラブルの予防にもつながります。
助成金の2つの注意点
注意点1|後払い(事後精算)のため資金繰りに注意
助成金は取り組みを実施した後に申請し、審査を経て受け取る「後払い」制度です。「助成金が入ってから設備を買う」という計画は成り立ちません。先に自己資金または融資で費用を立て替え、後から助成金で回収するという計画が必要です。
注意点2|毎年4月に改正されるため最新情報の確認が必要
雇用関係の助成金は、毎年4月に制度内容・支給額・要件が見直されます。インターネット上には古い情報が多く残っているため、申請前に必ず最新の公式情報または社労士に確認することをお勧めします。
助成金を受け取るまでの基本的な流れ
助成金を受け取るには、以下のステップを正しい順番で進めることが重要です。特に「取り組みを始める前に計画届を提出する」というルールは、多くの方が見落として不支給になる最大の落とし穴です。
STEP1|自社に合う助成金を選ぶ
STEP2|就業規則・勤怠管理など「土台」を整備する
STEP3|計画届を提出する【ここが最重要】
STEP4|取り組みを実施する(正社員転換・研修・設備導入等)
STEP5|支給申請をする(期限内に必ず提出)
STEP6|審査・支給決定・受給
「取り組みを実施してから計画届を出せばいい」という誤解が最も多い失敗の原因です。多くの助成金は取り組みの前日まで(人材開発支援助成金は1か月前まで)に計画届の提出が必要です。
申請から受給まで、最短でも数か月〜1年以上かかります。今から取り組みを検討している方は、できるだけ早く専門家への相談を始めることをお勧めします。
助成金はいくらもらえるか【目安と試算例】
助成金の受給額は、申請する助成金の種類・対象労働者数・企業規模によって大きく異なります。
主な助成金の受給額の目安(中小企業)
| 助成金名 | 受給額の目安 |
| キャリアアップ助成金(正社員化コース) | 1人あたり最大140万円 |
| 人材開発支援助成金 | 研修費用の最大85%+賃金助成 |
| 業務改善助成金 | 最大600万円(設備投資費×助成率) |
| 働き方改革推進支援助成金 | 成果目標・改善事業の組み合わせによる(業種別課題対応コースは最大1,000万円) |
| 両立支援等助成金 | コースにより異なる(育休中業務代替支援コースは最大140万円等) |
| 65歳超雇用推進助成金 | 措置の種類・対象者数により最大240万円 |
| トライアル雇用助成金 | 月額最大5万円(最大3か月) |
| 人材確保等支援助成金 | 57万円(雇用管理制度助成コース) |
組み合わせ活用の試算例
「有期契約社員に研修を受けさせ、修了後に正社員転換する」という1つの取り組みで2つの助成金を活用できます。
| 取り組み | 助成金 | 受給額(例) |
| DX研修(10時間・費用10万円) | 人材開発支援助成金(75%) | 7.5万円 |
| 研修修了後に正社員転換 | キャリアアップ助成金 | 80万円 |
| 合計 | 87.5万円 |
「自社ではいくらになるか」は企業ごとの状況(労働者数・取り組み内容・規模等)によって異なります。正確な試算は社労士にご相談ください。
助成金申請に必要な事前準備
助成金を受け取るには、申請前に以下の「会社の土台」を整えておく必要があります。
1. 就業規則の整備
ほぼすべての助成金で、就業規則(または労働協約)への制度規定・労働基準監督署への届出・従業員への周知が前提条件になっています。「就業規則がない」「10年前に作ったまま改定していない」という場合は、まず就業規則の見直しが必要です。
2. 勤怠管理の適正化
タイムカードや出勤簿など、客観的な方法で労働時間を管理・記録していることが必要です。
3. 労働保険(雇用保険・労災保険)の加入
雇用保険に加入し、保険料を適切に納付していることが大前提の要件です。
自分で申請できる?社労士に頼む理由
助成金申請代行は社労士の独占業務
厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金の申請書の作成・提出代行は、社会保険労務士(社労士)の独占業務です(社会保険労務士法第27条)。社労士以外の者(税理士・行政書士・コンサルタント等)が報酬を得て助成金申請代行を行うことは法律違反になります。
「助成金コンサルタント」「研修会社の申請支援」など社労士以外への依頼は、場合によって依頼した企業側が不正受給とみなされるリスクもあります。
自分で申請できるケース・社労士に頼むべきケース
自分でも申請できる場合
・申請する助成金が1種類でシンプルな内容
・就業規則がすでに整備されている
・担当者が申請に専念できる時間がある
社労士に依頼すべき場合
・初めての申請で全体像が把握できていない
・就業規則の整備が必要(または整備されているか不安)
・複数の助成金を組み合わせて活用したい
・本業が忙しく申請作業に時間が割けない
・確実に受給したい・失敗リスクをなくしたい
費用対効果の目安
社労士への依頼費用は成功報酬型(受給額の10〜20%)が一般的です。受給額80万円・成功報酬15%の場合:
| 自分で申請(成功時) | 社労士に依頼(成功時) | |
| 受給額 | 80万円 | 80万円 |
| 時間コスト | ▲25万円相当(約50時間) | ほぼゼロ |
| 社労士報酬 | なし | ▲12万円 |
| 実質手取り | 約55万円 | 約68万円 |
時間コストを考慮すると、社労士に依頼した方が実質手取りが多くなるケースがほとんどです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 助成金は課税(確定申告)の対象になりますか?
なります。助成金は法人税・所得税の課税対象(益金)として申告が必要です。消費税は不課税(課税取引ではない)として扱われます。受給した期の収益として適切に計上してください。
Q2. 創業直後(1年未満)でも助成金を申請できますか?
助成金によって異なります。多くの助成金は雇用保険の適用事業所であること・保険料を適切に納付していることが前提のため、創業直後でも要件を満たせば申請できます。ただし一部の助成金では「申請日前1年以内に解雇をしていない」等の要件があるため、創業時の状況によって対象外になる場合もあります。個別の確認は社労士にご相談ください。
Q3. 助成金を受け取ると、次回以降の申請に影響しますか?
同一の取り組みに対して重複受給はできませんが、異なる取り組みや別のコースでは引き続き申請できます。ただし不正受給があった場合は3〜5年間すべての雇用関係助成金が受給できなくなります。
Q4. 何から始めればいいかわからない場合は?
まず「自社で取り組みたいこと・困っていること」を整理した上で、社労士に相談することをお勧めします。「非正規社員を正社員にしたい」「男性に育休を取ってほしい」「残業を減らしたい」といった経営課題から、使える助成金を逆引きできます。
Q5. 大阪で助成金の相談ができる社労士はいますか?
大阪市北区(梅田エリア)に拠点を置く「働き方研究所MiRAHATA」では、キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金・業務改善助成金・両立支援等助成金など、雇用関係の主要助成金の申請サポートを行っています。「どの助成金が自社に合うか」という段階からご相談いただけます。初回相談無料・土日対応可・オンライン相談可・全国対応です。
助成金の活用は、MiRAHATAにお任せください
1. 助成金に特化した社労士事務所
補助金は対象外とし、雇用関係の助成金だけに特化しています。幅広く浅くではなく、助成金に深く精通した専門家として対応します。
2. 複数助成金の組み合わせ提案
単一の助成金申請だけでなく、自社の取り組みに合わせた複数の助成金を組み合わせて受給総額を最大化します。
3. 就業規則整備から申請まで一気通貫
就業規則の確認・整備から計画届の提出・申請書作成・受給まで、すべてを一貫して担当します。「整備してから申請」という必要な順番も確実に管理します。
まずは無料相談から
「どの助成金が自社に合うか」という段階からご相談いただけます。
TEL:06-7777-2605 携帯:090-1967-2223
お問い合わせフォーム:https://www.mirahata.com/index.php?toiawase
初回相談 無料|土日対応可|オンライン相談可|全国対応
まとめ
・助成金とは要件を満たせば返済不要で受け取れる国の公的資金。財源は事業主が毎月納めている雇用保険料
・補助金(採択競争あり・経産省管轄)とは根本的に異なる制度。申請代行の専門家も異なる(助成金は社労士の独占業務)
・中小企業が使える主な助成金:キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金・業務改善助成金・働き方改革推進支援助成金・両立支援等助成金・65歳超雇用推進助成金
・メリットは「返済不要」「要件充足で原則受給」「複数組み合わせ可」。注意点は「後払い」「毎年改正」
・申請の最重要ルールは「取り組みを始める前に計画届を提出する」こと。この順番を逆にすると不支給が確定する
・組み合わせ活用で年間数百万円の受給も可能。正確な試算は社労士に依頼するのが確実
・助成金申請代行は社労士の独占業務。社労士以外への依頼は法律違反になる可能性がある