助成金申請代行を社労士以外に頼むと違法?リスクと正しい依頼先の選び方【社労士が解説】

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「助成金の申請代行をします」と営業してきた会社が、よく聞いたら社労士ではなくコンサル会社だった。
「顧問税理士に助成金申請を頼んだら断られた。なぜ?」
「研修会社から『弊社で助成金申請まで全部やります』と提案を受けたが、問題ないのか?」

このような状況に直面している経営者・総務担当者の方はとても多くいらっしゃいます。

結論から申し上げます。厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金の申請代行は、社会保険労務士の独占業務です。社労士以外が報酬を得て申請代行を行うことは、社会保険労務士法違反となります。

そして見落とされがちな重大な点があります。違法な申請代行に関与した場合、依頼した企業側も不正受給とみなされ、助成金の返還請求・企業名の公表・刑事告訴の対象になる可能性があります。「知らなかった」では済まないのです。

この記事では、大阪の社会保険労務士事務所「働き方研究所MiRAHATA」が、社労士以外への依頼が違法な法的根拠・具体的な違法業者の手口と見分け方・安心して頼める社労士の選び方を、実務目線で解説します。

この記事でわかること

・助成金申請代行が社労士の独占業務である法的根拠
・社労士以外に依頼した場合の業者・企業双方のリスク
・ケース別の合法・違法の判断(税理士・行政書士・コンサル等)
・悪質業者の具体的な手口と見分け方5つ
・社労士登録番号の確認方法と信頼できる社労士の選び方

助成金申請代行は「社労士の独占業務」とは何か

社会保険労務士法第27条が根拠

社会保険労務士法第27条には次のように定められています。

「社会保険労務士でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、(中略)労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成、事務代理および紛争解決手続代理業務を業として行ってはならない。」

厚生労働省が管轄するキャリアアップ助成金・人材開発支援助成金・両立支援等助成金などの雇用関係の助成金は、すべて雇用保険法・労働基準法等の「労働社会保険諸法令」に基づく申請です。つまり申請書の作成・提出・労働局とのやり取りなど、申請に関わる一切の代行業務は社労士の独占業務となります。

「無償ならOK」ではない

よく誤解されますが、「無償で申請を手伝うなら問題ない」というわけでもありません。

法律が禁止しているのは「報酬を得て業として行うこと」です。しかし実態として「申請代行は無料だが研修費用に代行コストが含まれている」「無償と謳っているが実質的に対価を受け取っている」という形態は、報酬を得ているとみなされます。

また、「無償で手伝っている」としても継続的・反復的に行えば「業として」に該当する可能性があり、これも違法となります。

独占業務の具体的な範囲

以下のすべてが社労士の独占業務です。

・申請書類の作成(様式への記入・必要書類の収集・整理)
・労働局・ハローワークへの提出(代理申請)
・審査中の問い合わせ対応・追加書類の提出
・申請内容に関する事業主への相談・アドバイス(有償の場合)

社労士以外が申請代行すると「何が違法」になるのか

業者側のリスク

社労士以外の者が報酬を得て助成金の申請代行を行った場合、社会保険労務士法違反として以下の処分を受ける可能性があります。

・1年以下の懲役または100万円以下の罰金(社会保険労務士法第32条の2)
・行政からの業務停止命令

コンサルタント会社・研修会社・税理士事務所・行政書士事務所がこれに該当した事例は実際に発生しており、厚生労働省・都道府県労働局によって摘発されています。

依頼した企業側のリスク

ここが特に重要です。違法な代行業者を利用した場合、依頼した企業側にも深刻なリスクがあります。

不正受給とみなされるリスク

助成金の支給申請は「適法な手続きに基づいて行われること」が前提です。違法な業者が行った申請は、手続きの適法性を欠くとして不正受給とみなされる可能性があります。不正受給が認定された場合、受給した助成金の全額返還に加え、返還額の2倍相当の違約金が請求されます(いわゆる3倍返し)。

企業名の公表
不正受給が認定された場合、厚生労働省のホームページに企業名・代表者名・返還金額が公表されます。これは風評リスクとして会社経営に深刻な影響を与えます。

5年間の受給禁止
不正受給から5年間は、すべての雇用関係助成金の受給ができなくなります。

刑事告訴の可能性
悪質な場合は詐欺罪として刑事告訴の対象になることもあります。

「業者に任せていただけで自分は何も知らない」という言い訳は通用しません。申請主体はあくまで企業(事業主)であり、申請内容の責任は企業が負います。

よくある「社労士以外」のケースと合法・違法の判断

実際の現場でよく見られるケースを整理しました。

ケース判断理由
税理士に助成金申請代行を依頼した違法助成金申請は社労士の独占業務。税理士の業務範囲外
行政書士に助成金申請代行を依頼した違法(厚労省管轄の場合)行政書士は官公署への書類作成が業務だが、厚労省管轄の雇用助成金は社労士の独占業務
コンサル会社に申請代行を依頼した違法資格を持たないコンサルへの代行依頼は社労士法違反
研修会社が「申請もやります」と提案してきた違法研修会社は社労士資格を持たないため代行不可
弁護士に申請代行を依頼した原則合法弁護士は社労士としての登録が可能。ただし社労士として登録した場合に限る
税理士事務所内に社労士が在籍しており、その社労士が申請を行う合法業務を行うのが社労士であれば問題なし
自社内で担当者が申請する(本人申請)合法自社の申請を自ら行うことは法律上問題なし

重要な注意点
「弊社には提携している社労士がいる」と言われた場合でも、実際に申請を行うのが社労士本人かどうかを確認してください。社労士の名義を借りているだけで実際には別の担当者が申請書を作成している場合は、実態として社労士以外が代行していることになります。

悪質業者の具体的な手口と見分け方5つ

「社労士ではない業者が助成金申請代行を行っている」という違法行為は、さまざまな形で行われています。実際にMiRAHATAにご相談いただいた事例も踏まえ、典型的な手口を解説します。

手口1|「助成金を使えば研修が実質無料になります」

DX研修・eラーニング・資格取得研修などを販売する会社が「人材開発支援助成金を使えば研修費用の75%が戻ってくるので実質無料です。申請は弊社でやります」と営業してくるケースです。

問題点は2つあります。第一に、申請代行は社労士しか行えません。第二に、研修費用の一部を後から返金・キャッシュバックするスキームは、申請事業主が全額負担していないとみなされ、助成対象外になります。

このタイプの勧誘を受けた場合、「申請代行をするのは社労士ですか?社労士登録番号を教えてください」と確認してください。答えられない・曖昧にする場合は依頼を断るべきです。

手口2|「申請代行費用は受講料に含まれています」

受講料の中に申請代行費用を組み込み、「受講料だから問題ない」という形をとるケースです。しかし実態として助成金申請代行の対価を得ているため、社労士法違反にあたります。

また、研修費用が相場と比較して著しく高額に設定されている場合、助成金申請において「適正な費用」と認められず、差額分が助成対象外となることがあります。

手口3|「アンケート協力金・営業協力金として費用を返金します」

受講料を一度全額支払わせた後、「アンケートへのご協力への謝礼」「営業協力への感謝として」という名目で費用の一部を返金するスキームです。

これは申請事業主が全額負担していないとみなされ、不正受給と判断される可能性が高いです。返金の名目がどのようなものであっても、実態として費用負担が軽減されていれば対象外です。

手口4|「助成金コンサルタント」という名称を使う

「助成金コンサルタント」「助成金アドバイザー」という肩書きは、国家資格でも公認の資格でもありません。誰でも名乗ることができます。

「助成金専門のコンサルタントが申請します」という提案は、社労士資格の有無とは無関係です。「コンサルタント」という名称に惑わされず、必ず社労士登録番号の確認を行ってください。

手口5|契約書・説明資料に社労士の情報がない

信頼できる社労士事務所であれば、契約書や提案資料に必ず社労士登録番号・事務所名・担当者名が明記されています。

これらが記載されていない・社労士の名前が見当たらない・「提携している社労士が担当します」と言いながら具体的な社労士の名前を教えてもらえない場合は、実態として社労士以外が業務を行っている可能性があります。

「自分で申請する」は合法?現実的に可能か

本人申請は法律上まったく問題なし

社労士法が禁止しているのは「他人の求めに応じ報酬を得て」申請代行を行うことです。自社の助成金を自社の担当者が申請することは、本人申請として法律上まったく問題ありません。

厚生労働省のホームページには申請書の様式・記載例・よくある質問が公開されており、電子申請システム(雇用関係助成金ポータル)も整備されています。コストをかけずに申請したい場合は、本人申請という選択肢があります。

現実的に難しい理由

ただし、本人申請が現実的に容易かどうかは別の問題です。雇用関係の助成金申請には独特の難しさがあります。

・計画届・申請書・添付書類の種類が多い(10〜20点以上)
・申請前の計画届・就業規則整備など多段階の手続きが必要
・期限を1日でも過ぎると受給不可
・毎年の制度改正への対応が必要

初回申請の工数は40〜80時間に上ることもあります。本業が忙しい経営者・総務担当者が自社申請する場合の時間コストと失敗リスクについては、「助成金申請が大変な理由7つ」の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

信頼できる社労士の選び方3つのポイント

ポイント1|社労士登録番号を必ず確認する

依頼前に必ず社労士登録番号を確認してください。全国社会保険労務士会連合会のウェブサイト(https://www.sharoushi.or.jp/)では、社労士登録者を検索して確認することができます。

・登録番号を教えてもらえない
・登録番号を検索しても見つからない
・「社員の社労士が担当します」と言うが名前を教えてもらえない

これらは依頼を断るべきサインです。

ポイント2|助成金の最新情報への対応力がある

雇用関係の助成金は毎年4月に改正されます。令和8年度はキャリアアップ助成金の情報公表加算の新設・人材開発支援助成金のeラーニング上限額の引き下げなど、多くの変更がありました。

初回相談の際に令和8年度の改正内容について質問し、的確に回答できる社労士かどうかを確認することをお勧めします。古い情報のまま申請してしまうと不支給になるリスクがあります。

ポイント3|就業規則整備から申請まで一貫して対応できる

キャリアアップ助成金を始めとする雇用助成金は、就業規則の整備が申請の前提条件となります。「助成金申請だけ」でなく、就業規則の確認・改定から一貫して対応できる社労士であれば、「就業規則の不備で不支給になった」というリスクを防ぐことができます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 顧問税理士に助成金申請を頼んだら断られました。なぜですか?

厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金の申請代行は社労士の独占業務であるため、税理士は法律上対応できません。断られたのは正しい対応です。税理士に申請代行を依頼することは税理士側も法律違反となります。

Q2. すでに社労士以外の業者に申請代行を依頼してしまいました。どうすればいいですか?

まず、その業者が実際に社労士でないことを確認してください(社労士登録番号の有無)。社労士でない場合は、速やかに依頼を取り消し、改めて社労士に相談することをお勧めします。すでに申請書を提出している場合は、管轄の労働局に相談し、取り下げや修正の手続きを確認してください。早めの対処が重要です。

Q3. 「提携している社労士が担当します」と言われました。問題ありませんか?

実際に申請を行うのが社労士本人であれば問題ありません。ただし必ず担当社労士の名前・登録番号を確認し、連合会のサイトで照合してください。名義を貸しているだけで実態は社労士以外が申請書を作成しているケースもあるため、担当者との直接面談を求めることをお勧めします。

Q4. 社労士登録番号の確認方法を教えてください。

全国社会保険労務士会連合会のウェブサイト(https://www.sharoushi.or.jp/)にある「社労士検索」から、名前または事務所名で検索できます。登録番号が記載された社労士証書の提示を求めることも有効です。

Q5. 行政書士は助成金申請代行ができますか?

厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金については対応できません。行政書士の業務は官公署への書類作成全般ですが、社労士法の独占業務と競合する場合は社労士が優先されます。行政書士が厚労省の助成金申請を行うことは違法です。一方、都道府県や市区町村が独自に支給する一部の助成金・奨励金については、行政書士が対応できるケースもあります。

Q6. 大阪で助成金申請代行に強い社労士を探しています。

大阪市北区(梅田エリア)に拠点を置く「働き方研究所MiRAHATA」では、キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金を中心に、就業規則の整備から申請・受給まで一貫してサポートしています。初回相談無料・土日対応可・オンライン相談可・全国対応です。

社労士への依頼はMiRAHATAにお任せください

「社労士以外から申請代行を提案されて不安になった」「今頼んでいる業者が本当に社労士かどうか確認したい」「適法に、確実に助成金を受給したい」という段階からご相談いただけます。

MiRAHATAが選ばれる3つの理由

1. 社労士資格を持つ専門家が直接対応

代表・後藤が社会保険労務士として直接担当します。「提携社労士に丸投げ」という形ではなく、担当者が責任を持って一貫して対応します。

2. 適法・適正な申請を徹底

制度の趣旨に反する申請・不正受給につながる可能性のある申請はお断りしています。長期的に会社を守る適正な申請を最優先にしています。

3. 就業規則整備から受給まで一気通貫

助成金申請だけでなく、就業規則の整備・労務管理の改善まで含めたトータルサポートが可能です。「不備で不支給」というリスクを最小化します。

まずは無料相談から

「今依頼している業者が社労士かどうか確認したい」「適法に助成金を申請したい」という段階からご相談いただけます。
TEL:06-7777-2605 携帯:090-1967-2223
お問い合わせフォーム:https://www.mirahata.com/index.php?toiawase
初回相談 無料|土日対応可|オンライン相談可|全国対応

まとめ

・厚生労働省管轄の雇用関係の助成金申請代行は、社会保険労務士の独占業務(社会保険労務士法第27条)
・社労士以外が報酬を得て申請代行を行うことは社労士法違反(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)
・違法な業者に依頼した企業側も不正受給とみなされ、全額返還・企業名公表・5年間の受給禁止・刑事告訴のリスクがある
・「助成金コンサルタント」は国家資格ではない。必ず社労士登録番号を確認する
・「実質無料」「アンケート協力金として返金」という提案は不正受給の典型的な手口
・自社担当者が本人申請することは法律上まったく問題なし。ただし工数・失敗リスクを考慮した上で判断する
・信頼できる社労士は、登録番号の確認・最新情報への対応力・就業規則整備からの一貫対応の3点で見極める